Orchestral Works #1・無言歌 Tweet

Song without Words
作曲：田廻弘志（たまわりひろし）
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＜楽曲について＞
この楽曲は習作でして、ディズニー風のオーケストラを伴う歌曲を作ろうとしたものです。そのオーケストラは小編成であり、緻密な編曲がなされ、また、その歌はオペラ的な歌唱ではなくポップス寄りの歌い方をする…そのようなものを作ろうとしています。

タイトルを「無言歌」としていますが、ほんとうのところを言うと最初から無言歌として作ろうとしたものではありません。当初は、女声の独唱曲を企図したものでして、実際、女声の声域の中に「歌」の旋律はあります。森の中でなにか感傷的で抒情的ものを歌い上げるというイメージで作ったのですが、この旋律に当てはまる歌詞がどうにも思いつかないのです。

なんらかの劇の劇中歌ということであれば、なにかしらの歌詞を当てることができるかもしれません。けれども、その劇中歌を単独で取り出してしまっては、その文脈がわからず、不完全な歌詞内容になりますから、単独曲としては成立できません。かといって、ボーカリーズにするというのもなにか不自然で、この「歌」は明らかになにか「言葉」を語るイメージなのです。

今回は、その「歌」をケルトの笛に担当させていますが、特段、ケルトの笛である必要もなく、別の独奏楽器でもよさそうにも思います。けれども、ケルトの笛が旋律をとることで、「森」のイメージや神秘的な雰囲気というのはうまく醸し出せた気がします。