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04 Pa Pi Pe Pu Po

詞・曲:tamachang [開発コード miki V4 , 結月ゆかりV4(純)]

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歌詞

Pa Pi Pe Pu Po...

詞について

南インドの古典舞踊に「バラタナティヤム(Bharata Natyam)」という舞踊があります。巫女が神憑りをして神々に奉納した踊りがそのルーツであるらしく女性のソロで踊られることが多いようです。

この楽曲は、そのバラタナティヤムの音楽に霊感を得ています。バラタナティヤムの音楽は笛と太鼓と歌という小編成の合奏から成るのですが、その歌が特徴的で太鼓の唱歌(しょうが)をそのまま歌ってしまうのです。その歌がとても面白い。

唱歌とは、楽器の演奏を口伝するときによく行われるもので、いきなり楽器を演奏するのではなく、まず歌(唱歌)として覚えてから、楽器の演奏に置き換えていくという練習法です。たとえば、太鼓の唱歌であれば、師匠が太鼓のリズムを声に出して歌い、それを弟子が真似て覚えます。そののちに、覚えた歌を歌いながら実際の楽器を演奏します。最終的には歌なしで演奏できるようにしていきます。

そのとき、いろいろな音韻を使って太鼓の音を真似るのですが、たとえば、「タ」というときはA という奏法、「カ」と言うときはB という奏法というふうに、それぞれの音韻は太鼓の異なる叩き方に対応しています。歌を覚えるだけで、複雑な太鼓の叩き方も同時に覚えることができるというわけです。

このような唱歌による楽器の教授法はインドだけに特有なものではなくて、日本の伝統音楽の中にもあります。口三味線も唱歌の一種ですし、日本の鼓や太鼓はもちろん、笛の類でもその稽古には唱歌が使われます。

さて、そのインドの太鼓の唱歌は、現代でいうところのラップのような響きの音楽なのですが、もちろん、そこには言葉としての意味はなく、純粋に器楽的な歌なのです。言葉ではないので、音楽の都合に合わせて、その音韻やリズムもかなり複雑なものを歌います。歌のあり方として、このような表現もまた、面白い気がするのです。

インドの太鼓の唱歌のままに、その発音を真似て作曲することもできるのでしょうけれど、あえて日本語で架空の唱歌をでっち上げることにしました。歌詞としてはパ行の音韻だけですが、いろいろなニュアンスの抑揚で複雑なリズムを刻みます。

楽曲について

音楽は太鼓の唱歌風の声を中心に組み立てていますが、旋律的な部分や和声、ベースラインやリズムもまた声に担当させています。歌詞はもちろんパ行のみです。

それらの声には過度なエフェクト処理を行い、奇妙な響きになるように試みています。生身の人間の歌に対して、これほどの過度のエフェクトをかけるということはあまりありません。過度なエフェクトは原音のよさが失われてしまいますし、その歌を歌った人に対して失礼な気もします。

けれども、コンピュータの合成音声には、そもそも人格や感情が存在しません。なので、どのようなエフェクト処理をして加工しようとも合成音声に失礼ということはありません。このことはよく考えると、合成音声による歌声の大きな可能性の1つであるように思うのです。

声の伴奏となる楽器は、打楽器のみで構成し、声が引き立つようにしてあります。具体的には、ダブ・ステップ風のドラムマシン、アフリカのジャンベという太鼓(ラテン音楽で使われるコンガに似た太鼓)、アラブ音楽で使われるタンバリン、ゴング、そして、最もワールド・ワイドな打楽器である「手拍子」です。

あえて、インドに関係する楽器の音を避けたのは、この楽曲を特定の母語圏の人々を対象とする「歌」ではなく、どこの民族のものでもない「音楽」としたかったからです。まったく意味のないデタラメの唱歌なのですから、その音楽も特定の民族に由来しない無国籍なものであるほうがよいはずです。

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