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05 One, I Love, Two, I Love

詞:Mother Goose 曲・対訳:tamachang [ CYBER DIVA, Vocoder]

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歌詞

One, two, three, four, five, six,
seven, eight, nine, ten, eleven, twelve...
ひとつ ふたつ みっつ よっつ いつつ むっつ
ななつ やっつ ここのつ とう とうとひとつ とうとふたつ

One, I love; two, I love;
ひとつ わたし したう ふたつ わたし したう
Three, I love, I say;
みつ わたし したう ほら
Four, I love with all my heart;
よつ わたし こころからしたう
Five, I cast away;
いつつ わたし すてる
Six, he loves; seven, she loves;
むつ おとこ したう ななつ おんな したう
Eight, both love;
やつ ともに したう
Nine, he comes; ten, he tarries;
ここのつ おとこ くる とお おとこ ためらう
Eleven, he courts;
とおとひとつ おとこ つまどう
And twelve, he marries.
そして とおとふたつ おとこ めとる

詞について

英語の伝承童謡で、恋占いをするときに歌う歌の歌詞です。恋の対象となる相手が自分のことを好きなのかどうなのかを花の花びらを一枚ずつ数えて占う「花占い」のように何かを数えて占います。りんごの種などを数えて占うようです。

諸言語における数の数え方のほとんどは10 進法です。けれど、フランス語の20 進法など、10 進法以外の数え方をする言語も少なからずあります。数という概念自体は普遍的ですが、位取りとなるといろいろな多様性があるようです。基本的には十進法である英語も、11 と12 だけは特別な数詞を持っています。この歌の歌詞も1 ~ 10 で終わらず、12 まで続きます。

現代にあっても、なぜか10 進法ではない数え方をするものがいくつかあります。角度を測るときの360 度、1年の12 か月、1日の12 時間× 2 = 24 時間。そして、時間の分と秒は60 進数です。これらはどうも古代バビロニアの60 進法の名残りのようで、この60 進法は天文学と関係しているようなのです。角度は星の位置を測るときに使うもの、一年は太陽や月の運行に関わるもの。1年とか1日とか1時間といった時間に関係する数字は、現代も12 や60 で一巡する慣わしがそのまま残っています。

楽曲について

元の伝承童謡の旋律は引用せず、まったく新たな旋律を作曲しています。12 という数字は、西洋音楽においても少し特別な数字です。現代の西洋音楽は、1オクターブを12 の半音に区切り、各半音の周波数の比を一定の値にします。この比の値は無理数で、「12 乗すると2となる数:1」という数です。この調律(音の高さの調整)のしかたを「平均律」と言います。

平均律が考案される以前は、鍵盤楽器やフレットつきの弦楽器など、楽器の仕組みによって音の高さが定まってしまう楽器の調律には大きな問題がありました。たとえば、ハ長調でうまく響くように調律すると、ニ長調ではうまく響かないのです。かといって、パイプオルガンの何百もあるパイプの長さを楽曲の調ごとに調整するのは現実的ではありません。

そこで、完全な美しい響きを少し犠牲にするとしても、どの調でもそれなりに美しく響かせることができる方法がないか、さまざまな調律の方法が試みられます。そのような経緯で、平均律が考案されることになります。

この楽曲では、「1~ 12」の数を歌う音の高さは、1から順に半音ずつ上がっていくようにしています。折角なので拍子にもこだわって12/8 拍子にしてあります。1オクターブの12 半音の循環の中に、時計の12の数字や1年の12か月といった時間の循環と、人が恋をして子を残し、その子がまた恋をして子を残していくという循環のイメージが重なるような、そういう音楽になったような気がします。

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